深見愛一郎
私が弁護士を志したのは,40歳を過ぎてからでした。
私は,10代の頃から現業系から団体職員までの職を経験し,その中で様々な問題を抱えている人たちに出会いました。まだ裁判例もない解決困難な問題も少なくありませんでした。
行政との話し合いや裁判などの支援に関わる中で,親身に相談に乗ってくれる弁護士が少ないことを実感しました。
それなら自分でやってみようか。私が弁護士を志した動機です。
そのころの私の学歴は中学校卒業です。といっても,小中学校にほとんど行っていなかったため,形だけの中卒でした。司法試験の受験資格を得るため,まず通信制高校に入学しました。その後,通信制大学,ロースクールを経て,司法試験に合格しました。
通信制大学(中央大学)で,法律の勉強を始めた頃に思ったことは,法律は本来,人が幸せに生きるためにあるということでした。私自身も含めて,これまで様々なトラブルに巻き込まれてきた人たちが,法律の知識があったら別の生き方ができたのではないかと思いました。
しかし,人はやり直すことが必ずできます。
そのサポートが弁護士の仕事のひとつだ,と私は思います。