深見愛一郎
私が弁護士を志したのは、刑事弁護をやるためです。
30代の最後の年、後に死刑判決を受ける人の家族の支援に関わることになりました。この事件には、多くの共犯者がいました。マスコミでも大きく取り上げられたこともあり、彼らの弁護を引き受ける弁護士は全国でもほとんどいませんでした。それならば、自分でやってみよう、そんな安易な考えから、弁護士を志しました。
当時、私の最終学歴は中学校卒業でした。「I」と「You」の違いを知らず、方程式の存在も知りませんでした。司法試験を受けるため、通信制高校に入学しました。卒業後、通信制大学に進み、法科大学を経て、56歳のときに司法試験に合格しました。
弁護士登録をしてからは、150件を超える刑事弁護を担当しました。登録後に初めて受任した事件では、昨年2月に無罪判決が最高裁で確定しました。
医師には、内科、外科、脳外科等の専門がありますが、刑事弁護は、弁護士業務の中で高い専門性が要求される専門領域です。
私は、最高の法廷技術を持つ弁護士を自負できるよう、日々、法廷技術の研鑽に励んでいます。
私は、被疑者・被告人の属性や、事件についての世間的な評判などによって、事件をお断りすることはありません。なぜならば、刑事弁護は、人権保障の最後の砦だからです。どんなに凶悪な事件を起こした人であれ、社会的に非難される団体に所属しているであれ、取調べや裁判においては、法律で保障された権利は守られる必要があります。「世の中でいちばん嫌われている人」の権利が守られる社会こそ、人権が保障される社会です。